KSR110全波整流化

全波整流による電装強化

■ 経 緯 ■

KSR-I/IIの直流化に成功し、電装直流化のパイオニアとしてKSRに限らず色々な
車種のサイトから参考にされているようで嬉しいかぎりです。
初稿が10年近く前の記事なのにも関わらずいまだに直流化の需要は高く興味の
ある分野であることに関心します。
それではということで、
過去にブログの記事にしたKSR110の直流化に関する
情報を記事にまとめます。

■ KSR110電装考察 ■

KSR110の電装も、2STのKSRと同じく、ライティング系が交流、チャージング系
が直流という構成を取っています。

さすがに2stに比べれば近代的な設計になっていますから、ライティング・チャー
ジング共にレギュレータを使用して
安定した電力を供給できるようになっている
様子です。
バッテリーがMF化したことや、バッテリーに依存したCDIを使っていることがその
要因の一つでは無いかと考えています。

社外品のメーターやHIDを取り付けるなど、特殊なことをしない限り直流化する
メリットはほとんどありません。

ノーマル回路
純正回路概要図

←ノーマル電装の簡略化した図

KSR110の電装はライティング系とチャージング系に別れていますが、それぞれレギュレートされており、ライティング系には交流が出力され、 チャージング系には半波整流された直流が出力されています。

改造後の回路
改造回路概要図

 ←単相交流用の全波整流レギュレーターを使うことで、ライティングチャージング共に安定した直流電流を供給します。

ジェネレータコイルの両端を直接レギュレーターに入力するようにします。

すべての電装をバッテリーからの電気でまかなう自動車と同じ回路設計です、回転数による電圧の昇降が発生しにくいので、タコメータなどの社外電装を装着するにも有利です。

レギュレートレクチファイアの選定

CBXのレギュ
←原付としては豪華な装備を誇るジョルノクレアのレギュレートレクチファイアをチョイスしました。(スタンダードタイプ)

性能・入手性共に良好で、あえて他のレギュレータを選択する理由が見当たりません。

三相交流用のレギュレートレクチファイアの二相だけ使うことも出来るようです。


当時、レギュレータの端子配列が不明であったためハーネスごと購入してジョルノクレアの配線図を見ながら解析しました。




レギュレートレクチファイアの考察
レギュとの接続 
←ジョルノクレアのレギュレータのピンアサイン

ジョルノクレアのサービスマニュアルを見て左図のようなピンアサインを割り出しました。

物理的に接続されていない2番ピンとヘッドライト制御に使われている5番ピンは使用しません。

ジェネレータからの配線を4番・6番ピンに接続し、3番ピンをフレームアースやバッテリーマイナス極に接続。
1番ピンをバッテリープラス極に接続すれば良さそうです。
配線の概要図

エンジンにマウントされたステータコイル
 レギュレートレクチファイアのコネクタからは左図のような配線になるようにフィッティングします。

ステータの巻き直し

ステータ台座から分離
  ステータを外してコイルのまき直す準備をします。

コイルの構造が不明なので、一旦ほぐして構造を調べました。

結果、巻き直しせずに済む事がわかりましたが、文字通り結果論です。

まぁ、まき直した方がスッキリするし良いかと。

KSR110のステーターコイルは8つの極を持つ構造です。 鉄芯はプラスチックのカバーで覆われており、コイルと 鉄芯がショートしにくくなっています。

KSR-I/IIのステータと比べると、格段に進化していますね。


ステータの巻き方

鉄芯
 ワイヤーの巻き方は左図の通りです。

ひとつの極を巻ききったら隣の極に移動して反対巻きで巻いていきます。

この図は概要的に表現したものです。
実際にはワイヤーが鉄芯の内側に来たときに隣の極に移るようにします。

 要は1極ごとに右巻き左巻きを繰り返していけば良いわけです。

しっかりテンションをかけながら、ワイヤーの被覆を傷付けないように丁寧に巻いていきます。

ひたすら巻く!
ワニスを砕きつつコイルを解す
 心を無にしてひたすら巻きます。
KSR-I/IIのまき直しではワイヤー径を太くして電流の増加を試みましたが、巻き数が減少してしまいあまり効果がありませんでした。

今回はワイヤー径を変えず、巻き数を確保することに注力しました。

使用したワイヤーは1mm径のUEWです。
耐熱的にはPEWの方が良いかもしれません。

アキバのオヤイデで買ってきました。
1000gで1200円ぐらいです。
巻き上がり♪
巻き直し・・・
 なかなか良く巻けました。

結果だけ書くと簡単に見えるかもしれませんが、実際には3時間以上掛かっていますw

しばらくコイルは見たくない感じです。
ハーネスとフィッティング

ステータ台座と接続


 巻き終わったコイルをハーネスと接続します。

振動や高温のオイルに浸る環境であるため、半田付けでは無く、圧着スリーブを使用して結合しています。

結合部には保護チューブをかぶせて短絡を防ぐようにします。

レフトエンジンカバーへの取り付け

レギュレータとフィッティング

 フィッティングを済ませたステータとピックアップコイルをレフトエンジンカバーに取り付けます。

ハーネスがフライホイールと干渉しないように、しっかり固定します。

レギュレータの装着と配線
レギュレートレクチファイアのありか


 ジェネレータからの出力とハーネスの接続はこんな感じです。

実車でフィッティング

 ジョルノクレアのレギュレータは純正レギュレータの位置に取り付けました。

純正のハーネスは細く頼りないので、太めのハーネスで引きなおしています。

最終的に「配線の概要図」と同じになるように配線しました。
レギュレートレクチファイアのありか


 単純に直流化すると、メインキーがすべての電流を開閉することになります。

 さすがにそれはいやなので、ライティング系はリレーを経由してバッテリーから直接電気を取るように変更しました。

 どんどん配線が汚くなっていきますw

試験運転

 ジョルノクレアのレギュレータでは14.4Vを閾値にして制御を行っているようです。

KSR-I/IIで実現済みなのであんまり感動ないです。
完成!(と考察)

ステータ強化&直流化の功罪

メリット
 ・アイドリング時でもヘッドライトが暗くならない。
 ・バッテリーに無用な高電圧を与えずに運用できる
 ・35/35wのバルブを楽々点灯できる。
 ・電圧が安定するため、社外タコメータなどの電装品を安心して付けられる

デメリット
 ・バッテリーの依存度が高いので、常にバッテリーの点検が必要
 ・最高速低下(発電量が増えるとローレンツ力により抵抗が増す)
 ・地味な改造なので誰も気づかない(T^T)
 ・なによりめんどくさい作業ばっかり・・w

実用度 ★★☆☆☆
難易度 ★★★★☆
お楽しみ度 ★★☆☆☆
バカ度 ★★★★☆
   
総評 ★★★☆☆

あまりオススメできる改造ではありません、まぁこんなことも出来るのかと
お話程度にお考え下さい。

※電気を扱いますので、注意して作業を行って下さい。
 
・火災注意!ショートすると燃えます、ガソリンに引火したら大変です・・・
※電気的知識に自信のない方は当記事をまねないで下さい。
 
・感電注意!KSR程度の発電機でも感電死する可能性はありますので・・

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2008/6/7実装
2012/12/23 記事掲載